新城市のオキナワルリチラシ
(愛知県 新城市)

写真@ 下草にとまる雌(1992.9)
 
オキナワルリチラシ!・・・私にとって、思い出深い特別な蛾です。
 
初めて見たのは、記録によると1992年の事でした。もうそんな昔になるのかーという感じですが、その時のことはよく覚えています。当時私は愛知県に越してきたばかりで、そしてまたチョウの撮影を始めたばかりでした。
 
9月のある週末、山道の脇で花に群れている夏眠明けのミドリヒョウモンに遭遇し、これを駆けずり回りながら撮影しました。昼前まで撮影し疲れたので腰を下ろしたところ、目の前の草に何やら見慣れないものがとまっていました。はて?・・・どうも蝶ではなさそうです。キラキラ光る羽に、ゼンマイのような長い触角。そう言えば、さっきからチラチラ上空を飛んでいたのはこいつでしたか。それにしても綺麗なこと!。そのとき数枚撮ったうちの1枚が、上の写真です。

写真A こちらは雄。雌の匂いを嗅ぐために、触角がフサフサしてます。
翅が茶色っぽいのはストロボを焚いたため(構造色)です。(2008.9)
 

写真B 食樹のツバキ(2007.2)

時は流れて2006年、ゼフィルスの撮影中、偶然に幼虫を見つけてから、そのコロコロした姿に惹かれて幼虫も探すようになりました。

図鑑で調べたところ、食樹としては、ヒサカキ、ツバキ、チャノキ、ツツジなどがあるようです。いずれもこの辺一帯の渓流沿いにはいくらでも生えてます。
 

写真C 越冬中の若令幼虫。体長約4mm。(2007.2)
 
面白いのは、その隠れている場所で、大抵は葉が重なった所や自分のつけた食痕の上で見つかりました。写真Cは、葉が重なった所に居た若令幼虫。手で葉をめくったところです。

写真D サザンカ葉裏の中令幼虫。体長約7mm(2007.5)

彼らは植樹の毒素を取り込んで防御に使うそうですが、それでも隠れているところを見ると、寄生虫などの天敵があるのでしょうか?。
かと思うと、写真Dのように丸見えの場所にじっとしているものもいました。これも葉の裏側から見ると一瞬虫喰いの跡に見えるので、おそらくは敵の目を欺く効果があるのでしょう。
 

写真E 終令あるいはそれに近い幼虫。体長約13mm。(2006.6)

終令幼虫は植樹を離れて踊化場所を探すようです。写真Eは、大雨の翌日発見したもの。落ちたのか離れたのか、一番近い植樹(ツバキ)から7,8mの所に居ました。蛹(繭)は見たことがありません。というか、蛹を野外で見つけるのは難しそうです。美しい成虫になる時期は、この辺りでは9月ごろです。
 

写真F 秋空を飛ぶ(1994.9)
 

写真G 吸蜜(2005.9)
 
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