葦毛湿原のヒメヒカゲ (愛知県 豊橋市) |
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JR東海/名古屋鉄道 豊橋駅前より、豊橋鉄道バス、影岩又は岩崎で下車、徒歩15分。駐車場あり。
右写真:羽化直後のメス。(2015.6)
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・湿原へ向かう木道(2009.6)
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葦毛湿原は、豊橋市の東、弓張山系の麓に広がる湿地です。
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ガイドブックに『東海の尾瀬』などと紹介されているせいか、木道をぐるりと一周して、「たったこれだけ?」と驚いている人をよく見かけます。・・・そうです。本当に猫の額ほどの広さしか無いのです。
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ここは、シラタマホシクサやモウセンゴケなど珍しい植物が見られることで有名ですが、東海地方で激減しているヒメヒカゲの生息地でもあります。見られるのは例年6月上旬〜下旬ごろです。
(動植物、昆虫などは全て採集禁止です。)
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・ヒメヒカゲと湿性植物。(2015.6)
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・オス同士の追飛。(2015.6)
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・イソノキに群れる(2015.06)
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ヒメヒカゲを見に来た人の間で話題になるのが、目玉模様(眼状紋)の数です。
葦毛湿原では眼状紋の数に変異が多く、いろんな組み合わせを見ることが出来ます。
ここには、2009年に写真が撮れた6種類の組み合わせを載せましたが、もっと数が多いものもいるようです。多数派は、前翅0〜1、後翅3〜4といったところでしょうか。
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前翅0+後翅3=3 前翅0+後翅4=4 前翅0+後翅4(+α)=4.5?
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前翅1+後翅4=5 前翅1+後翅5=6 前翅3+後翅4=7
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眼状紋を数えるには、肉眼では厳しいので、小型の双眼鏡が欲しいところです。(p_q)
また、写真を撮って後で数える方法もありますが、木道以外は立ち入り禁止なので、できれば300mmクラスの望遠レンズが欲しくなります。
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・湿地の様子(2015.6)
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この湿原は昔はもっと広大でハンノキなどの高木も無かったそうで、往年の姿を取り戻そうという訳でしょうか、2012年頃から湿地の回復事業が行われています。
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上の写真は2015年6月時点、木道から東の方向を写したもの。湿地の周りの木や繁みが伐採されて、岩が露出しています。・・・伐採された木々は『私たちの大切な自然』には含まれなかった模様です。
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さらに手前の湿地には所々、白い石が置かれているのが分かるでしょうか?。これは石の重みで周囲に水分を染み出させようという試みだそうですが、石の下敷きになった部分はどうでも良いのかという疑問があります。またある人に言わせると、日射しの強い時には石が高温になるので、周囲の湿性植物に影響するかもしれないとの事です。・・・どうなんでしょう?。
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_ ・伐採地(2015.5.17)
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こちらは、笹の群落やクヌギなどの高木を伐採した場所です。
解説の札を読むと、手前に積み上げられた木々には昆虫が訪れると書いてあります。確かにカミキリムシが来ていました。
しかし、1か月後に訪れたところ、地面には再び笹が生え始めていました。・・まあ、当然でしょうね。
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・・・このように急激に(急激すぎるくらいに)様変わりしつつある湿原ですが、どのようになって行くのか、期待半分/疑問半分と言ったところでしょうか。今後の推移に注目して行きたいと思います。
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